自分のビジネスモデルへの「リーンスタートアップ」の適用の是非について紆余曲折した話

起業している人、起業を検討している人の中には「リーンスタートアップ」という言葉に聞き覚えがある人もいるだろう。簡単に説明すると、顧客開発やフィット・ジャーニーを意識しながら、なるべくアカウンタビリティを持って事業を進めていく事により失敗を局限する方法論のようなものである。

ところがビジネスモデルによっては、このリーンスタートアップの枠組みに収めることが適切でないと思われるアイデアもある。例えばアップルなどがその代表例だろう。彼らは顧客開発を行わない。いや、行えない。なぜなら、この世に無いプロダクトを生み出すからだ。こういったゼロイチのビジネスモデルについては、逆に顧客開発をすることで、イノベーションを削いでしまい、革新性の薄い無難なプロダクトになってしまう可能性もある。

起業家は、起業に失敗したくない。なので、失敗しないための方法論に頼りたくなる。しかし、自分のビジネスモデルはどうだろう。リーンスタートアップを当てはめることができるだろうか?それとも当てはめるべきでないだろうか?そしてそれはどのようにして判断すべきだろうか?

実は私もこの課題に直面した。失敗したくないからリーンスタートアップに準拠したいが、ビジネスモデルがこの世にまだ無いものなので、それをむりやり準拠させながらプロダクトを作ってもいいものなのか、それとも無視して作ってしまうべきなのか?よくわからない日々が続いた。

そんなある時、自分のビジネスモデルにある人物が共感してくれ、サポートしてもらうことになった。それがUだった。結局資金調達がうまくいかなかったためチームは解散してしまい、この事業に関しては閉鎖することとなった。

Uは、比較的早くこのビジネスモデルがリーンスタートアップに準拠できないことを見抜き、CEOである私に行動を促してくれた。そして…失敗した。失敗の原因は単純に私の自己資金が予定よりもずっと早くショートしたことだった。そして改めてこのリーンスタートアップについて考えた。その結果が以下である。

結論とは、身もふたもない話であるが「自己資金の少ない起業家はリーンスタートアップに準拠すべきである。かつ、リーンスタートアップを適用できるビジネスモデルを選択すべきである。」という至極、当たり前の結論である。

つまり、私が失敗したのは、リーンスタートアップの概念に収まらない壮大なビジネスモデルを、リーンスタートアップに準拠しなければならないほど戦闘力の低い起業家が扱おうとしてしまった事にあるという事だった。どんなにいいビジネスモデルであったとしても、自分がそれを扱えなければ意味はない。

起業しようとしているあなたは、今一度、自分がリーンスタートアップを採用した方がいい起業家なのか、はたまた自分のビジネスモデルはリーンスタートアップに収まる事業なのか、それを確認した上で挑戦されることをお勧めする。

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